急速増殖、ラーメン大統領の秘密!! |
2年足らずで22店舗へと拡大! |
ラーメン大統領=(株)プレジデントフーズの本部と工場は、国道30号線と2号線の交差した、青江にあります。この工場で材料を仕込んで、全店へ配っているということです。そこで取材に応じていただいたのは石崎さんという専務の方でした。
『一昨年の9月に初めて今保店をオープン、7月の讃岐豊中店で22店舗になりました。もう岡山市内はいっぱいですので、全国展開を考えています。フランチャイズでやるのは、強烈なファンはなかなかつくれないものですけれども、広い方に支援してもらう必要があると考えています。インターネットなどではなかなか厳しい評価が多いようですけれども。』
おっと、はやくも私へのジャブがやってきました。
『個人の店ですと、オーナーさんが仕入れから仕込みと最後までやられますよね。実際にやる人の思い入れの違いは絶対にあるとは思いますが。でもチェーン店でも全体を100としたら10くらいの店による違いはあるのです。それをあまりないように従業員教育とか力を入れてはいます。』
「最初からチェーン店化を目指されたのですか?」
『ええ、お金がなかったものですから、最初からフランチャイズをめざしたのです。最初の店で1日に500杯くらい売れましたので、これはと。最初はスープも生のままここから持って行っていたのですが、今はスープを一対一で割っています。あ、あれが社長です。』
実はやまとのラーメンが好きだったのです |
とおりかかった社長にも入っていただいて、大統領談義が続きました。ちょっと茶色に染め上げたぼさぼさ頭の木村社長は、
『実はねー、私はやまとのラーメンが大好きだったのですよ。最初ラーメン屋をはじめようと3年ほど修行といいますか、毎日ラーメンを作っていろんな人に食べてもらったのですけれども、やまとの味をだそうとがんばったんです。でもあまりみんなに美味しいと言ってもらえない。それでやむなく豚骨ベースに変えた。そのあたりからみんなに美味しいと言ってもらえまして。でもそれからでも毎日いろんな素材を出したり入れたり。数十の食材を試しました。』
『フランチャイズというのも大変なのですよ。今では一日1万食を超える規模にになりましたが、こうなると豚でも何トンの世界ですよね。最初は薩摩の黒豚がほしいとやっていたんですけれども、でもなくなりますでしょ。頭からバラから、1頭分全部の豚を使い、鶏、昆布、かつお、入りぼし、野菜、果物、化学調味料・・・といろいろ考えました。』
昆布をアップしても、理解してもらえなくて |
『味を安定させるというのはむづかしいものですね。量が増えるとまず豚が無理になるでしょう。でそれ以外の野菜や果物の産地を安定させていくことを考えました。で、あ、今日の味はちょっと違うんじゃないいかという声がお客さんからあったりしまして。私が食べてもそう思ったりするんですよ』
『スケールメリットで材料が安く仕入れることが出来るようになるでしょう。それでお客さんに還元しようと昆布を日高から(高級な)利尻に変えたんですよ。ところが「もうかったから味を落とした」なんて言われましてね。うまくいかないものです。でもただ儲けるだけじゃあいかんでしょ。やはりお客さんにお返ししませんと。』
かんじんの「横綱」との関連は??? |
いろんなお話があるなかで、私の興味は「京都、横綱、ぱくり」の部分でした。で、「関西の横綱との関係をいろいろ言われていますけれども??」
『ええ、修行中、どういうラーメン屋にしようかと迷っているとき、大阪の友人が紹介してくれたんです。行ってみてびっくりしました。こういうやりかたが今の若い人に受けるのかなーと思いましたよ。味もこういのがいいのかなーと。黄色いどでかい看板で迫力を出すこととかも』
「ねぎ入れ放題のことなども??」
『あれは大変でしたねー。ネギって価格が乱高下しますでしょ。一時はねぎだけですごい原価がついたこともあったりしまして。でもやっています。全体ではなんとか。』
『店内なども明るくしまして、深夜でも女性が1人で入っていただけるように考えています。』
『うちのベースにはたしかに横綱があるんですが、私自身はもう横綱さんを超えていると思ったりはしているのですけれども・・・。』
このあとは、「ラーメン大統領の秘密」です |
『フランチャイズ化するために、いろいろ工夫しました。麺や粉も大統領独自のものをやっています。強:薄比を工夫して、いい湯のなかで茹でてゆくと美味しいものです。』
『たくさんスープのなかにいいものを入れまして、それが580円でどうかということもありますよ。』
『うちのラーメンの特徴の1つは、匂いがないということなんです。何度も何度も洗って。豚骨の血の匂いを消そうと苦労しました。あれだけ濃いラーメンで、あの匂いを消しているのはうちの特徴だと思います』
『もう1つ、うちは工場で、スープを絹のような細かいもので漉しているんです。そのため濃く見えて食べて見ると薄いというかなめらかなんだと思います。ぶつぶつ感とかそういうものはあとから入れているんです。』
『餃子も手作りなんですよ。ラーメン屋ですから焼き豚や背油など使えますよね。えびやほたてなどなんやかや入れまして、ラーメンスープと同じく20品目くらい入れてしまいました。』
おっと、なんだか大きなワン君がそばに寄ってきました。心なしかこの社長に似ているようでもあります。『今でも近くにいきますと、やまとのラーメンを食べてしまうんですけど。』という木村社長の横顔には、とても月間20万食を超えている大チェーンの責任者とは思えない童顔がのぞいていました。
『しつこいようですが、当社はもうけのために材料や品質を落とすなどということは絶対にありません。たくさんの方に美味しいラーメンを食べていただこうということでがんばっているんです。』
最後に石崎専務が繰り返されました。この方、先年までどうやら天満屋にお勤めだったそうです。この方が天満屋時代に培った経営のノウハウを発揮しておられるとしますと・・・。
木村社長も『こんなに当たるとは、正直言って不安なんですよ。』と言っておられましたが、現在も月に1~2店舗のペースで拡大している「ラーメン大統領」。このまま行ったらどうなるのだろう・・という気もしてきたこの日の取材でした。