最終書換日:99/10/31

花も嵐も、ラーメン物語、その11

岡山倉敷のラーメン屋の巻 11


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味音痴のラーメン談義です。独断と偏見をお許しください。

ていねいな作りに、ゆっくりと食べさせていただきました

    私のHPへの感想メールはよくありますが、次のようなメールは初めてでした。
 「今度ラーメン屋を始めます。食べてみて下さい。」さらにつけ加えて「味には自身 があります。絶対に美味しいです。」とありました。3月のことだったと思います。
 その後、ラーメン学会ではこの店のことも幾度か話題に上がったのですが、私はなぜ か食べる機会がなく日が過ぎていました。で、今日行ってきたのです。
 小さな通りに精いっぱい主張しているような、赤いテント屋根とちょうちんがみえま す。「采采ラーメン」でした。中はカウンターとテーブル席、外観を併せてなぜか「ラーメン店標準セット」という感じがしました。(失礼)
 ラーメン550円。ねぎ辛ラーメン700円なんてのもあります。
 私などにはうらやましい細身の体に、少し髭をたくわえたご亭主が「すみません。ち ょっと待ってもらえますか。」とやおら厨房に入って行きます。目の前に張り紙があり ました。「当店の・・・化学調味料を一切使わず、店主のていねいな・・・云々。」
 奥からはいつものラーメン店のゆなガチャガチャとかバサバサといった音は一切聞こ えません。うーん。張り紙の「ていねい」といった言葉が思わず頭をかすめました。
 で、やはりそっと出てきました。ていねいに。正直いいますと「化学調味料を一切使 わず」ということで下世話な舌を持つ私は少し不安でもありました。
 でも、でもーー。みなさん、これ、大変に美味しかったのです。麺は中細のストレー ト麺で、スープはかなりこってりしていました。豚骨出汁に和風出汁もあるのでしょう か。醤油味もしっかりしています。脂も上に浮かんでいるのですが、なぜかイヤミがな く、バランスの良い味付けなのです。チャーシューも柔らかく煮込んであり美味しかっ たです。思わず、丁寧にゆっくりと食べている自分に気づいてしまいました。
 目の前に「にらとにんにくの辛しみそ」の瓶があります。香りを逃がさないためか、 蓋がしっかり閉めてありました。スープが1/4くらいになったとき、少し入れてみま した。にらの臭いが少しきつい気はしましたが、でもこの辛しみそ、ここのスープには 合いました。
 久しぶりにハーモニーの良い「新店」のラーメンを食べさせていただきました。クラ シックを聞いたあとのあの満足感にたとえられるような、不思議な食後感が続いていま す。ごちそうさまでした。(99、7)

 休:日曜。第2、4土曜。
 営:11:00~14:30  16:30~21:00

素麺どころ鴨方のラーメン屋さん

   岡山県の西南部鴨方町といえば、「手延べ素麺」で著名なところです。街を通るとあち こちに「○○製麺所」という看板が目につきます。うどん、素麺の看板もです。この素麺どころでがんばっているラーメン屋さんがありました。
 国道2号線から北へ、立体交差を越えて鴨方の街に入っていきますと、左手に大型量販店の集中しているところがあります。メガマート、マックスバリュー、シュフレなどです。その一角に赤い「ラーメン」の幟が林立しているところがありました。まだ新しい建物で、ラーメン「十万石」です。
 清潔そうな店内は、何でも11時から19時までがラーメン店で、その後は居酒屋に なるようです。
 鶏出汁の醤油ラーメンです。麺は中細のストレート麺、標準でも少し固めでした。さすが麺どころといったおいしい麺です。スープの色はそんなに濃くはなく、表面にはなぜか2~3ミリの透明な豚の背脂とおぼしきものが浮かんでいます。他は違いますが、この背脂だけは尾道の朱華園を想像させます。おいしかったです。これからは鴨方でも、素麺、うどんだけでなく、ラーメンもメニューに入れることにしたいと思いました。

 PS:鴨方町から里庄町に入ったところに「八ちゃんラーメン」と大書した麺工場がありました。この街ではラーメンも結構つくられているようです。

番外編:天気予報が得意な?ラーメン屋さん(広島)

広島市は大田川の三角州に成立した街です。でも、その海への出口には、緑豊かな小山があって、市民の憩の場となっています。広島港近くの宇品山にはここいらでは珍しい原生林が残っています。また西側の江波山は元広島気象台があったところで、今は「気象館」になっています。
 天気、気候ことを「陽気」ともいいますね。「今日は陽気がいい」なんて使います。そして「江波山気象館」への上がり口のところに、なんと「陽気」というラーメン屋さんがあったのです。もしかしたらここは天気予報が得意なのでしょうか?、あ、そんなことはないかもしれませんね。(ああしんど。やっとここまで引っぱってきました。読む人はもっとしんどいでしょうね。ごめんなさい。)
 赤いテントに赤いのれん。白字で「中華そば陽気」。いかにもラーメン屋さんという雰囲気で、中は10席あまりでしょうか。
 メニューは「中華そば500円」のみ。こういうのは何とも嬉しいですねー。私の行ったのは開店まもなくの時間でしたので、お客は2~3人でしたが、いつもはけっこう流行っているという話しを聞きました。
 とんこつ醤油味の、わりとあっさりしたラーメンでした。チャーシューやもやしも美味しく、麺は博多を思わす細いストレート麺です。あとへちょっとだしの粉っぽさが残るのが気になる程度で、なかなか美味しかったです。
 営:16:30~24:00
PS:それにしても最近の広島での「天下一品」の進出ぶりはなんなんでしょうか。インターチェンジから街へ入る途中を始めとして、あっという間に6店舗になっていました。す、すごい。お好み焼だけでなく、本当は広島でもラーメン需要が多い証明なのかもしれません。地元のラーメン店さんの健闘を祈らずにはいられません。

峠の上の「尾道ラーメン」

 倉敷市児島。一般道で北から入るには、福南山という峠を越えます。今では広い道路がついていますが、道路沿いに池もあって景色のきれいな所です。その峠に1軒のラーメン屋さんがあるのです
 「桃竹(ももたけ)」という店で、メニューは「尾道ラーメン、550円」「とんこつ醤油ラーメン、550円」そして「角煮ラーメン」なんていうのもあります。定食もの、おでんもあります。仕事で児島に出入りする人達でけっこう流行っているようです。
 なんと、お、お嬢ちゃんがラーメンをはこんでこられました。
 今日は「尾道ラーメン」をいただきました。鶏がらだしに醤油味、豚の油様のものがもそもそと浮いています。れんげでまずスープを1口。あ、美味しい。くせがなくすっきり、あっさりとしたスープです。麺は少し固め。細麺ですがよく見ると少し平らな切り口をしているのでしょうか。「麺は尾道直送」なんてはり紙に書いてあります。チャーシューもよくなじんで美味。
 おとなりでは作業服の3人さんが、ラーメン定食にビールをかたむけておられます。私も・・。でも、車で来ている身。残念。うらやましい!。
 おでんが美味しかったのでよけいにそう思ったのかもしれません。私の好きな雰囲気の店でした。
 では、皆様。

自然派ラーメンという名の・・・

 倉敷駅の北口に「チボリ公園」があります。そこから広い通りを北へ行き、右へ曲がったところに最近新しいラーメン屋さんができました。赤い壁に黒の骨組みの、かなりケバケバしいラーメン屋さんです。何と「自然派ラーメン・ありがとう」だそうです。豚骨スープで博多ラーメンのようなのですけれども。
 自然派ラーメン500円。少し大きめの鉢に、白濁トンコツ。やわらかく薄いチャーシューに、細切り昆布・・といったスタイルです。
 「まず、混ぜないでスープを2~3口飲んで下さい。」
 「そのあとは、チャーシューの上の辛子味噌を溶かして・・云々。」
 なるほど、なるほど。うんうん。ちょっと塩気が強いかな?。麺は細く少し固めで美味。でもありがたいことには、目の前に辛子高菜とおろしにんにくのビンがあります。両方ともたっぷりと入れて、美味しくいただきました。店には水にπ(パイ)ウオーターを使用していると盛んに宣伝されていました。
 博多トンコツラーメン、岡山では好きな人が限られて来るとは思いますが、ここはチボリ公園の入り口という好位置、休日でもあり観光客なのか、午後3時というのに駐車場はほとんど満杯。けっこう流行っておられました。(99、7)

営:11:00~AM2:00
 PS:あとで聞いたところでは、どうやら「長崎チャンメン」さんが経営する新しいラーメンチェーンらしいです。神戸市などで始まって、岡山でもこれからいくつか展開するということでした。

番外編・標高2、450メートルで食べたラーメン

 私、今年の夏の旅行は、「立山黒部アルペンルート」などを楽しみました。そう雷鳥などで有名なあの立山です。実は20年程前、まだ小さかった子供たちを連れて、開設まもないこのルートを横断したので、今回で2度目なのですが。
 かっては山小屋ふうだった弥陀ヶ原ホテルも近代的に建て替わっていましたし、しばらくは雨が降らないということで弥陀ヶ原湿原の風景もいまいちではありました。やはり秋が一番いいのでしょうか。
 立山のすぐ下にある室堂。ここで遅い昼ごはんを食べることになったのですが、こんなHPを作っている悲しさからか、ついつい「ラーメン定食(1,450)」なんて注文してしまいました。やはりここは蕎麦ですよね、皆様。悲しい~~??。

 おぼんに乗った塗鉢に入って、うどんのスープと同じかと思えるほどにあっさりした透明な醤油スープ、あくまでも和風の強調されたラーメンでした。シナチクがこりこりとなぜか美味しかったです。でもそれ以上にうずら卵、かまぼこ、それにわらびなどたっぷりの山菜・・。山菜好きの私は、信州蕎麦とラーメンを1度に食べた??ような気分にもひたらせていただきました。あっさりと美味しくいただきました。
 これって、標高2、450メートル。たぶん日本で一番高いところにあるラーメンなんでしょうか。え!、雄山(立山)頂上でカップ麺を売っていたって?。それなら富士山頂だってそうでしょう?。
 というわけで、今日の番外編は、レストラン立山(室堂)のラーメンの巻でした。(99、8)

「京都屋台味ラーメン」という店がオープンしました

 みなさま、岡山の中心部、中国銀行本店の斜め向かいに、「乙女食堂」という店があったのをご存知でしょうか。戦災をくぐり抜けた旧中銀本店ビルと対になって、なんとも不思議なバランスを保っていた古い食堂なのです。
 「あそこは、岡山一あやしい食堂だった・・・」とか
 「昔、宇野バスで村から出てきたときは、あの乙女食堂でいつも食べて帰っていたもんじゃ。なつかしいなー。」などと評判だったものです。
 その「乙女食堂」が突然ラーメン屋さんになってしまいました。
 『こだわりの京都屋台味ラーメン・よってこや』だそうです。
 表は日本の中世かと思われるような店構えで、「こだわり云々・・」をはじめ、さまざまに大書した看板などが所せましと立ち並んでいます。「いらっしゃいませ。お一人ですか、カウンターへどうぞ。」なるほど、店内はほぼ8割方の入り。けっこう流行っているようです。さっそく「あの屋台味ラーメン(600円)を」。チェーン店らしく、店員の応対態度もマニュアルでちゃんと教育したという雰囲気がうかがえます。
 うん。醤油味です。「豚骨、鶏ガラに10種類の野菜が・・」という店内表示も目につきます。開店まもないころ来たときは、なんだか脂の臭いが鼻についていやだったのですが。なるほどなるほど、一カ月後の今日は味がなじんだといいましょうかなかなか美味しくなっていました。こってりしているのですが、でもわりとあっさりも感じるのです。
 おやっ、この麺はなんなんでしょう。いままであまり食べた事がない食感です。つるつるではなく、もそもそではもちろんありません。なんだか一本一本がばらばらに口に入ってくるといった口ざわりなのです。おぼろな??口ざわり・・・なんて造語でもしなくては私には表現しきれません。かなり噛み応えもあって・・・。あとで説明書を読んでみますと「秘伝『特注多加水麺』、胚芽小麦粉使用。」などと書いてありました。この食感は加水率の高い麺のためなのでしょうか?。どなたか教えていただきたいと思います。
 どんぶりの横には「寄」という字もデザインされています。、最後にその底をみますととうがらしが少し残っていました。あっ、そういえば少しぴり辛だったようにも思いました。それであまりしつこく感じなかったのかもしれませんね。
 ここは他にも「中州屋台味白湯ラーメン650」「炭火焼豚ラーメン850」「餃子」などメニューも豊富のようでした。
 営:(平日・土)11時~翌2時まで。(日・祝)11時~24時

 PS:なんでも、京都のあるラーメン店の分かれで、関西にあるチェーン店なんだそうです。
(99、9)
 PS2:今度は「たべてこラーメン800円」って食べました。キムチラーメンのことで、濃厚なスープにうまくキムチをマッチさせてあり、美味しかったです。(99、11)
PS:残念ながら閉店されました。水島に同じ名の店が出たそうですので、移転かもしれません。(2003、春)

きっぷのいいおばさんのつくる、普通のラーメン

 先日岡山市民劇場で「きらめく星座(こまつ座)」を見ました。耳が良すぎて砲兵隊から脱走した長男を高橋克実さんが好演していました。昭和16年の物語ですが、戦争というものはなんと人の心の豊かさを奪うものか。一杯のコーヒーの香りに打ち震える姿を見て、美味しいラーメンに幸せを感じる今の平和がいかに尊いものか・・、つくづくと感じました。

 ということで今日は倉敷市児島です。児島から通う同僚が「ぜひ一度」というのと、「絶対美味しい」というメールも入っていた『菰池ラーメン』を訪ねました。
 児島から倉敷方面に抜ける道路に「菰池中央」という交差点があります。そのすぐ北に「菰池北」という信号がありまして、その交差点のほとりにあるのが「菰池ラーメン」でした。
 「こんにちはー。」どこにでもある街の食堂風の店に席は7つばかり。やがて奥から「いらっしゃい。」とおばさんが出てこられました。どうやら一人でやっておられる様子です。  「中華そば」をお願いしました。他のメニューは、おでん、冷やっことか、ビール・・・、あ、ここからは車で行った私には毒ですので書かない方がいいかもしれませんね。
 あっさり醤油のごく普通のラーメンが出てきました。うん。まずまずではありませんか。食べている私におばさんがいろいろ話しかけてこられます。なかなか話好きでさっぱりした、きっぷのいいおばさんです。私の伯母にこんな人がいましたが、つい思い出してしまいました。

 美味しかったです。というよりは、食べて良かったです。ラーメンもおばさんも本当に気持ち良く、児島に来ていながら「天一」も「せんや」も素通りして食べに来たこの「菰池ラーメン」、決して私を後悔させるようなことはありませんんでした。(99、10)

 営:11:30~14:00。17:00~22:00
 休:月曜

”てんてこ舞”ほど、はやればいいね。

 私も少し子離れしてきまして、1人で出かけることが多くなってまいりました。そこ で気がつくと、息子や周りの若者達のファッションにも注意をはらっている自分がある のです。
 今日は出かけるとき、ジーンズのシャツのすそを、外へひらひらと出した格好で出か けました。「なるほど、こうするとズボンやベルトが不必要に目だたないな?」などと 考えるのは、なんでも理屈をつけたがる我が世代のくせかもしれません・・・。なんて 言い訳は横へおいておきまして。

 この1年、岡山はラーメン新店ブームの感がありますが、岡山駅前に新ラーメン店が オープンしました。車通勤の私にはなじみがなかったのですが、以前に「胡蝶の舞」と かいう素敵な名前のラーメン屋さんがあったというところ、三好野本店のすぐ隣です。
 「てんてこ亭」とかあります。最近のラーメン屋さんらしく、少し派手な店構えです 。「どうせなら『てんてこ舞』にすればよかったのに・・・」なんてよけいなことを考 えながら入店しました。
 席はカウンターのみ20ほど。あっさり醤油味のラーメン(550円~)でした。で も具は多く、麺は見えません。ゆで玉子半分、”の”の字の入った鳴門などが特徴でし ょうか。しばらく食べて、席の前を見ますと「ニラキムチ」と書いた四角い木の箱があ ります。適当に入れて食べましたが、なんとかスープに合ったようです。
 開店から間がないせいか、粗品をいただきました。「てんてこ亭」と名入りのボール ペン(ゼブラ)でなかなか調子良く、今この原稿はそのボールペンで書いています。( 99、10)
 営:11:00~19:00 休:月曜

PS:このお店、どうも閉店したようです。期間が8~9カ月だったというのは残念です。まだボールペン使っていたのですが?。(2000、5)

マスカット球場とクラシックの関係は?

   倉敷マスカット球場というのは、全国でもけっこういい球場になるようなんです。倉 敷と岡山のちょうど中間あたり、JR中庄駅の近くにあります。プロ野球では阪神と広 島が準フランチャイズにしているらしく、時折この両チームが試合を組んでいます。ち ょうど4年前にはオリンピックの野球アジア地区予選が行われ、韓国や台湾の代表チー ムや日本チームの対戦が行われたりしました。TV中継では、芝生の緑がとてもきれい で、いい中継画面ができます。
 そのマスカット球場のすぐ北のあたりに、一軒のラーメン屋さんがあります。「冨屋」さんです。北から車で来たら、跨線橋を下りてすぐ右折したところです。かなり前に情報はいただいていたのですが、ようやく今日出かけてきました。
 カウンターとテーブルで十数席でしょうか。平日の昼でしたが、若いお客さんで賑わ っていました。
 「醤油ラーメン 500円」を頼みました。他にもけっこうメニューは豊富なようで す。出てくるまえに若いご亭主、ちらっと味をきいておられました。忙しそうに立ち働 いておられますが、キラリと光る目がラーメンづくりへの入れ込みをあらわしているよ うでした。
 まずスープを1口。うん、けっこう脂がのっています。チャーシューも柔らかく美味 。「うん、この味なら若い人にうけるだろうなー。」なんて考えながら食べていますと 、いつのまにかスープを全部飲んでしまっていました。美味しかったです。ごちそうさ までした。
 メニューをもう1度ながめていましたら、「からいめん 600円 おすすめ」なん てかいてあります。こんどはこれにしようかなと考えながら車をまわしたのですが、ま だまだ前から新しい車がつめかけ、けっこう流行っているようでした。(99、10)

 営:11:30~14:00  17:00~23:00(日は~22:00)
 休:月曜。
PS:うーん。このお店は、夕方から「屋台」も出しておられるようです。「クラシッ クが聞こえたらお声をかけてみてください」なんて書いてあります。クラシック音楽好 きの私としては、1度出会ってみたい屋台です。

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