あこがれの『鬼が島』 ~香川県女木島の旅~ |
「鬼が島」・・・。子供のときから馴染んだ名前ではありませんか。桃太郎がいぬ、さる、きじをお供に行ったというあの鬼が島です。大人たちは「あそこへ行くとな~、大きな洞窟があってな~」などと旅行談をいつもしてくれました。私にとって鬼が島とは、小学校のときから、一度は行ってみたい「あこがれの地」のひとつだったのです。しかし何とはなしに、行ったことがない地に変わってしまっていました。 それが、突然に機会が訪れたのです。
左になだらかな丘、そして右には形の良い三角山が。外見からもけっこう風情のある島です。「あの右側の山のてっぺんに(洞窟が)あるんだ。」先輩たちが教えてくれます。なんだか3年生と6年生の関係が復活しているではありませんか。あ、もちろんデジカメのシャッターを切るのに忙しい、ませた3年生ですけれどもね。
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ここでも可愛い鬼たちが迎えてくれました。早速洞窟探検です。案内人のおじさん「ここは2000年前の人工の洞窟です。これは世界でも珍しい」と。そこでむくむくと頭をもたげる「趣味の考古学」
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この女木島洞窟を中心に香川県にも桃太郎伝説が伝わっているそうです。「岡山で有名な吉備津彦の弟がこの香川に来ていて、住民が海賊に苦しんでいるのを知り、イヌ、サル、キジを率いて鬼を征伐した。犬は備前の犬島(岡山市)、サルは陶の猿王、(綾南町)、キジは雉ヶ谷(鬼無町)に住む男子だった。鬼が住んでいたのがこの女木島だった。」という物語だそうです。
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お城の形をしている大洞窟・うん!!梁山泊?? |
「ここの洞窟はお城の形をしています。中国の洞窟と同じで、入り口は敵が侵入できないように狭くなっていて、内部は戦いやすく逃げやすいように、広くて、いくつもの洞窟にわかれています。」 私がここで思い浮かんだのは、なんとなく「水滸伝」です。梁山泊を想像させられる洞窟ではありませんか。水滸伝は中国の北宋時代の物語です。そうすると10世紀というのとダブりますね。
それにしても洞窟のすぐ上の展望台からの眺めは絶景でした。お隣の男木島(写真左)も形の良い山形をみせています。、帰りの山道の桜はまだつぼみが固く、山桜のみが咲き誇っています。 「ここはいいところだなー、桜の咲くころまたゆっくりきたいなー。」友人のつぶやきにもっとものうなずきをかえしながら、なだらかな坂道を歩く一日でした。(2010,3) |