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宇奈月温泉と黒部渓谷

 宇奈月温泉は、立山から北へ流れる川のうち、最も急流の黒部川の下流にあります。中流の黒薙から引き湯管で湯引きした、さらさらの透明なお湯でした。各所に足湯もあり、楽しめました。

 ここからトロッコ列車(黒部渓谷鉄道・昭和30年代の黒部ダムの工事で資材運搬に使われた鉄道)で、標高599mの欅平まで通じていて、途中は黒部渓谷の絶景が続きます。

温泉街から、旧軌道跡の遊歩道を


 その前に朝の散歩。宿から街中を通り、渓谷鉄道の宇奈月駅を過ぎますと、宇奈月ダムまで旧の線路跡が散歩道になっていました。駅には当時を思わせる無蓋車がつながれています。今でも時々使われるのでしょうか?。

 旧の山彦橋を渡ると、早速トンネルです。ところどころ明り取りの窓がありました。
 トンネルのなかで新旧軌道が交差して、トンネルを抜けると、新旧の山彦橋が一望に見えます。

 
 ふと見ると「冬季歩道」と書いてあります。あ、冬季は雪が多く、列車も通れないので、かってこの小さなトンネル道を通って人が往復したのだなと思いました。線路が続く欅平までこの歩道も続いていると聞かされました。当時の人たちのすごい苦労がしのばれます。
 遊歩道の終点は宇奈月ダムです。急流の黒部川、大正期から多くのダムや発電所が築かれ、開発工事が行われたようです。
   

いよいよトロッコ列車で

 ダム工事に使われた軌道が黒部渓谷鉄道として観光列車につかわれて50年余だそうです。なかなかシャレた貨車?に、団体さんとして詰込まれて出発です。さきほどの宇奈月ダムを過ぎ、いよいよ切り立ったがけが両岸に迫ってきます。ねずみも上がれなかったという「ねずみ返しの岸壁」また釣鐘状の岩、たびたびトンネルに入りながらも、出るたびに絶景を見せてくれます。

 
 「う~ん、日本にもこんなすごい渓谷があったんだ。」お隣の人は何度も感嘆の台詞をはいておられました。
 標高差3,000m、傾斜角度30~45度の部分が全体の70%にも及ぶという黒部川です。ようやく軌道が引けたのが、約600mの欅平までといいますが、そこまでの経路でもまさに絶景といって良い景色が続きました。秋に来たらまた見事な紅葉が見られることでしょうね。
 「トンネルの中はそれは寒いですから・・・」ここでもバスガイドさんの警告で、合羽を握り締めていたのですが、幸いこの日は梅雨時にもかかわらず好天続き。前日に続き、良いたびをさせていただきました。(2008,6)