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秩父観音霊場その3
つ、疲れましたがユニークな・・・の巻き

横瀬町中心部の仏たち

 午後からは秩父盆地の南部、横瀬町中心部の霊場めぐりです。町役場の周辺で、アップダウンを繰り返しながら、家並みの外れ、山に取り付いたあたりにある4つの霊場でした。
 まずは西武横瀬駅近くの9番明智寺です。ここの新築された観音堂は立派でした。ただ、すぐ近くのセメント工場の巨大煙突と騒音が神聖さを減ずることは、はなはだしいものがあるようですね。

 次は7番法長寺。住宅地の真ん中に予想以上の伽藍が現れます。牛伏堂というようで、禅寺に牛が祭られていました。

 さらに奥に入り果樹園の上にあるのが6番卜雲寺(ぼくうんじ)、観音堂はさらに一段上の眺めの良いところに立っていました。下の果樹園が食事処になっていて、昼時にここへ来るようにと言うのがルートらしく、納経所は人であふれていました。

 それから橋を渡り、西武鉄道をくぐって、左の山の中腹にあるのが8番西善寺でした。境内一面を覆うモミジの巨木にまず圧倒されます。この日は目に鮮やかな緑でしたが、秋に来るとさぞかしすごい紅葉なのでしょうね。

荒川北岸の霊場たち
 横瀬町中心部を終えたのち、秩父盆地の中心部を通って、前回残した最西部の30番へ行こうとしました。しかしこの暑さ、ペットボトルの水はすぐに無くなります。自転車をこぐ足は次第にだるく・・・。「これは無理!」と急遽右折して北へと道をとりました。「あっ、この前泊まったホテルだ。」5年前の宿泊地、秩父ホテルの名石づくりの建物は印象に残っていました。

 そして荒川を渡り右へ。なかなかいい眺めですね。下り坂の自転車には快適な道が続きます。24番法泉寺。目の前には百段を超える古い石段です。たまりかねて途中で休んでいると、上から下りて来たひとが親しげに「大変ですね。」と。

 そこからさらに荒川西岸を東へ。途中大きな橋が架かっているのですが、それを境に上り坂になりました。下り坂は快適な自転車も上り坂となるとたちまち難行苦行に早代わりです。23番音楽寺へ上る坂では、ついに自転車を置いて歩き遍路になってしまいました。音楽寺という変わった名前のお寺さん。山上のこじんまりした、なかなか素敵なお寺さんです。近くにミューズパークなどが作られ、音楽好きの人々がお参りした写真や作品が飾られています。またかって秩父事件のときに、人々がこの寺の鐘を打ち鳴らしてから、秩父の街になだれ込んだそうです。当時をしのんでしばしたたずんでしまいました。

 それから少し東。入り口の石柱を入って進むと22番童子堂です。田園の仲の雰囲気あるお寺さんです。それにしても暑いです。あっ、ご親切に冷水が用意してあるではありませんか。ありがとうございました。

 そこからさらに東へ。広い道路沿いに21番観音寺がありました。「矢之堂」だそうですが、名前には諸説あるとか。さあ、今日はあと一箇所です。

 国道から右へ入り、駐車場から下を見ますと、下りの石段の先に何か静かな一角が見えます。20番岩之上堂と言って、荒川岸の大岩の上に立つお寺さんだそうです。でも知らないと岩の上とはとても思えません。

 それから秩父橋を渡り、国道沿いに岐路に着きました。やっとの思い出自転車を返し、西武秩父駅でいただいたビールの何と美味しかったことでしょう。今日一日で15箇所。郊外の諸寺はどれも歴史を持った、ユニークでかつ印象に残るお寺さんばかりでした。

 さて残るは30~34番と、どれも遠いお寺さんばかりです。次に来るときには何か考えないといけません。  今日の万歩計は自転車とはいえ28,000歩。カンカン照りの一日でした。よく熱射病にならなかったものです。

 では次回は何年先になるかわかりませんが、とりあえず筆をおくことにします。(2009,6)