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![]() 7番十楽寺へは20分ほどで到着です。途中救急車の音がしたと思ったら、このお寺さんで巡礼のお年寄りが気分を悪くされたとのこと。大過なければいいのですけれどもね。
同行の一人、もう5回も全コースを歩いて回っているという80歳のおじいさんからは、いろんなことを教えられました。全コースを歩くと、最低で40日あまりがかかるそうです。そうすると宿泊代だけで1日7,000円とすると28万円。納経料が26、400円。その他経費を入れるとどうやら34~5万円となりそうですね。「それは歩くのが一番費用はかかります。」と言うお話でした。でも御利益もまた一番なのでしょうね?
7番からは、徳島自動車道沿いの道をずっと歩いて、山に入っていきます。道々はいかにも山村風景。約1時間で次の8番熊谷寺(くまだにじ)です。
8番から正面に山を一気に下りて、田んぼの中へ。そして2キロあまりで9番の法輪寺です。昨日と違って今日は、1回も地図を見ることがありません。もちろん迷うことも無く、ちゃんと順路がたどれます。ベテランさんの同行は本当にたのもしいです。私と言えば「同じ名前のお寺さんが近くにあるんですよ。」などととんちんかんな事で話を合わせたりしてがんばりました。それにしても私よりだいぶお歳の方の健脚な事。
再び北の山の中へと逆戻りです。そういえば、昨日の1番からずっと讃岐山脈の南面を西へたどっている事に気が付きました。そしてほとんどが眼下に四国三郎吉野川を見下ろしながらの道中なのです。 |
ここからも一気に山を下ります。そしていよいよ吉野川を南に渡るのです。おっと、その前にお昼ご飯。真新しいうどん屋さんで「きつねうどん」をいただきました。どうやらここもコースなのですが、ベテランも新しく建て変わったうどん屋さんに驚いた様子でした。
吉野川を渡る橋は、車一台がやっと通れる狭いものでした。むこうから車が来ると、端へ寄るのですが、あやうく風で下の川に吹き飛ばされそうになるのです。それよりもこの橋は川が増水したら完全に水の中になるのを前提に作られているということに驚きました。そして、向こう岸に来たのかと思えば、そこは川の中州でした。広い畑に様々な農作物が作られています。菜の花畑はなごみました。それにしても1年に何回かの冠水を前提にした農業とはどんなものなのでしょうね。おもわずいろいろと観察をたくましくしてしまいます。 |
送電線の鉄塔も、下部はコンクリートの基礎でかさ上げされたりしていますし、あちこちにビニールハウスの切れ端がひっかかっていて、「あー、ここまで水が来るんだ」とも想像されますし、「空海の道」という道しるべに沿った旅は、なかなかのものではありました。 「川を越え 山を歩いて はるばると 今日の巡礼 四国十一」(藤井寺)
なんだかみっともない短歌になりましたが、とにかく川の中の橋を2つも渡って、やっとたどり着いたのが11番藤井寺でした。で、ここから山の中に入って、次までが6時間だとか。それで今日はここまでと、少し下の「吉野」という新しい旅館で宿泊です。夕食のビールと、翌日のお弁当を入れて7,000円でした。また本日の歩数は36,000歩。またしても自己最高記録更新であります。
自転車を借りて、今回の旅で初めてコンビニというものにありついたのもここでした。 |